夏の旅の模様〈オランダ編〉のつづき。
聖バフォ教会St.Bavokerkで午後4時から始まるオルガンコンサートめざして、電車でアーネムからハーレムに移動。
考えてみると8/3のスペイン、バスク地方のサン・セバスチャンのコンサートから、アカデミーやフェスティバルで私も弾かせていただいたものを含めて、この日8/13までの11日間、1日も欠かさず歴史的な楽器でのオルガンコンサートを聴いたことになる。
なんて贅沢な旅だろう。
驚いたのは、聖堂内のオルガンの演奏が行なわれているすぐそばあるカフェコーナーで、コーヒーを飲んでいる人々がいたこと。
シャンデリアがきらめくゴージャスな建造物の中は、大勢の人で賑わっていた。
ヘンデルやわずか10歳のモーツァルトが弾いたという、Christian Müller製作(1735-38) の巨大な赤いオルガン。
日曜日の礼拝で再びここに連れてきてもらって、素晴らしいオルガンの奏楽を聴いた後、楽器を触らせてもらえることになった。
小躍りで演奏台へ。
大きなストップノブがたくさん並んでいる。
おしりをズズーっとずらさないと端まで手が届かない。
ストップを選ぶのも長い椅子の上で、右へズズー、左へズズーっと忙しい。
妖精に小人にされてしまったニルスの気持ちがよく分かる。
足鍵盤の幅がびっくりするくらい広くて、気を抜くと鍵盤と鍵盤の間に足が落っこちてしまう。
日本の小柄な友人たちは、留学中このサイズの楽器をどうやって弾きこなしていたのだろう。一人ずつにインタビューしてみたい。
音は想像していたより、ずっとずっとふくよかな響き。