10月15日(日)12:00からと14:30からの2回、
レストラン藤野倶楽部 百笑の台所で、
横田宗隆さん製作、17世紀の様式の
ポジティフオルガンを演奏します。
お食事は、美味し〜い韓国料理を
お楽しみいただけます。
コンサートでは、横田さん自ら
ふいご手を務めてくださいます。
木でできた4’のフルートが
なんとも気持ちよく歌ってくれるので、
これだけずっと弾いていたいくらい。
とは言え他にも魅力的な音色があるので、
いろんな組み合わせで弾いてみようと思っています。
このオルガンが持つ4つの音色のうちの1つ、
Quintflute3’は
スペインの Medio Registro のための作品が弾ける、
分割ストップで作られています。
真ん中のドから下のバス(左手)用と
ド♯から上の高音部(右手)用のストップが別々に作られて、
右手のメロディを際立たせたければ
Quintflute の高音部のストップを引っ張って、
それにFluteの4’のストップを加えると、
同じ鍵盤で左手は伴奏(Flute4’)を、
右手はメロディ(Flute4’+Quintflute3)を
弾くことができます。
宗隆さんとお話するたびに楽器が改良されていて、
先週には 「Zimbelも分割にしました!」
と言う嬉しいお知らせをいただきました。
音色の組み合わせの可能性が増えて、
ますます楽しみになってきました。
このポジティフオルガンは、長3度を美しく響かせる
ミーントーンで調律されています。
この調律法で、音階を滑らかに弾くために
当時発案されたのが、分割鍵盤。
黒鍵の背中にもう一つミニ黒鍵が乗っかっていて、
レ♯とミ♭、ソ♯とラ♭が
弾き分けられるようになっています。
ずいぶん前に、北イタリアに住むオルガニスト、
Christopher Stembridge 氏のお宅でレッスンを受けた時に
クリストファーの持つチェンバロのうちの1台がこの分割鍵盤でした。
「今日はこの楽器で勉強しよう」と言われて、
慌てて楽譜に「手前」とか「奥」とか書き込んで練習して、
なんとか弾いたことを思い出しました。
今回も、難しいあの曲はその作戦で行こうかな…
友達からは、分割鍵盤ではないオルガンでは
黒鍵の上の方にシールを貼って練習してみたら?
とアドバイスを受けたところです。
もうひとつ、この楽器はショート・オクターブと言って、
低音部の鍵盤の並びが上の写真の
オレンジの文字のようになっています。
スペインではショートオクターブの
オルガンがたくさんあるので、
こちらには大分慣れました。
中央線の藤野駅を降りると、
こんな景色が飛び込んできます。
8月に試奏に伺ったときに、
駅の横の直売所で買って帰ったトマトで、
10月のよい季節、山の緑のなかで
ハイキングがてら遊びにいらしてください!