2023.10.15 藤野 ・オルガン・デイ

10月15日(日)12:00からと14:30からの2回、

レストラン藤野倶楽部 百笑の台所で、

横田宗隆さん製作、17世紀の様式の

ポジティフオルガンを演奏します。

お食事は、美味し〜い韓国料理を

お楽しみいただけます。

コンサートでは、横田さん自ら

ふいご手を務めてくださいます。

木でできた4’のフルートが

なんとも気持ちよく歌ってくれるので、

これだけずっと弾いていたいくらい。

 

とは言え他にも魅力的な音色があるので、

いろんな組み合わせで弾いてみようと思っています。

 

このオルガンが持つ4つの音色のうちの1つ、

Quintflute3’は

スペインの Medio Registro のための作品が弾ける、

分割ストップで作られています。

 

真ん中のドから下のバス(左手)用と

ド♯から上の高音部(右手)用のストップが別々に作られて、

右手のメロディを際立たせたければ

Quintflute の高音部のストップを引っ張って、

それにFluteの4’のストップを加えると、

同じ鍵盤で左手は伴奏(Flute4’)を、

右手はメロディ(Flute4’+Quintflute3)を

弾くことができます。

 

宗隆さんとお話するたびに楽器が改良されていて、

先週には 「Zimbelも分割にしました!」

と言う嬉しいお知らせをいただきました。

音色の組み合わせの可能性が増えて、

ますます楽しみになってきました。

このポジティフオルガンは、長3度を美しく響かせる

ミーントーンで調律されています。

この調律法で、音階を滑らかに弾くために

当時発案されたのが、分割鍵盤。

黒鍵の背中にもう一つミニ黒鍵が乗っかっていて、

レ♯とミ♭、ソ♯とラ♭が

弾き分けられるようになっています。

 

ずいぶん前に、北イタリアに住むオルガニスト、

Christopher Stembridge 氏のお宅でレッスンを受けた時に

クリストファーの持つチェンバロのうちの1台がこの分割鍵盤でした。

「今日はこの楽器で勉強しよう」と言われて、

慌てて楽譜に「手前」とか「奥」とか書き込んで練習して、

なんとか弾いたことを思い出しました。

今回も、難しいあの曲はその作戦で行こうかな…

友達からは、分割鍵盤ではないオルガンでは

黒鍵の上の方にシールを貼って練習してみたら?

とアドバイスを受けたところです。

 

もうひとつ、この楽器はショート・オクターブと言って、

低音部の鍵盤の並びが上の写真の

オレンジの文字のようになっています。

スペインではショートオクターブの

オルガンがたくさんあるので、

こちらには大分慣れました。

 

中央線の藤野駅を降りると、

こんな景色が飛び込んできます。

 

8月に試奏に伺ったときに、

駅の横の直売所で買って帰ったトマトで、

ぎゅっと甘みが詰まった濃厚なトマトソースができました。

 

10月のよい季節、山の緑のなかで

ハイキングがてら遊びにいらしてください!