先々週の週末、10/14,15に
藤野に演奏に伺った時のことをすこし。
横田宗隆さんのオルガン工房から臨む絶景。
まずはここに置いてあるポジティフオルガンで夕方まで練習。
「この谷の下に、時々熊が出ます。
ま、ここまで40mあるので、上がっては来れないでしょう。」
と言い残して、横田さんは去っていった。
怖い…
夕方、ここからすぐの藤野倶楽部のレストランへ、
楽器が運ばれた。
壊れないよう、振動を与えないよう、
ゆっくり、そおっと。
藤野倶楽部からの眺め。
「あの黄色い花はなんですか?」と
オーナーの桑原さんに伺うと、
「ほら、みんなが花粉で痒くなる、
あれだよ、なんだっけ…」
とのお答えが。
後で調べてみたら、セイタカアワダチソウ?
急に目が痒くなってきた..
だんだん暗くなって、
山の色が変わっていくのを眺めながら
もうしばらく練習させていただく。
レストラン内にエアコンはなく、このストーブのみ。
朝晩は冷え込むのでもう薪がくべられていて、
じんわり暖かい。
藤野倶楽部が運営する安心農園で作られた野菜。
買って帰るのを忘れて、ものすごく後悔した。
夜は近くの温泉に連れて行ってもらって、
そのあとはずらっとメニューが並ぶ
美味しい居酒屋さんでお腹いっぱいごちそうになった。
夜中からは、嵐のような大雨が降って、
朝起きたら一転霧の中。
寒い…
11時には雨が止んで、それからどんどん気温が上がった。
気温の変化は調律に影響するので、
1回目の12時、2回目の14時半のどちらの前も、
全ての笛を念入りに調律してくださった横田さん。
コンサートでは、製作者自らふいご手を務めてくださった。
人の手によってパイプのそれぞれに風が送り込まれると、
楽器の声がいつもより
聞こえてくるような気がする。
…と言うよりもわたしが
楽器の声を聴こうと、
自然に耳を傾けたくなったのかもしれない。
この感じを覚えておきたい、と思った。
今回は嬉しくも「この楽器でぜひスペインのプログラムを!」
と、声をかけていただいた。
分割ストップを持つこの楽器は、
スペインの曲が弾けるように
分割する場所を変えてくださったことに加えて、
スペインのバロック時代の多くのオルガンの鍵盤と同じ
ショートオクターブなので、
コレアの分割ストップのための作品を
2曲も弾くことができた。
フルー管は4’からで、
最初はプログラムどうしようかな…と思っていたが、
実際に楽器を前にしたら
小さいながら、いろんな引き出しがある。
「あれも弾ける!これも弾ける!」
と、すっかり楽しくなった。
楽器は少しずつ改良されて、
これから2フィートも加わるとのことで、
ますます楽しみ。
Google で1位になったという、藤野倶楽部自慢の参鶏湯は
しみじみと美味しく、スープも全部飲んで、
身体の中から温まった。
藤野が好きで、ここを広く知ってもらって
楽しいことをしていこう!
という人たちにたくさんお会いした。
お世話になった皆さま、
ありがとうございました。
このレストランのそばキャンピングカーやパオ、
グランピングなどの宿泊施設もあります。
新宿から1時間とちょっと。
みなさん!藤野、おすすめですよ。