2018.08.18-25 Ávila, España その3

いつから使われているんだろう。

サン・ビセンテ教会の

オルガン・バルコニーに通じる階段の、古い鍵。

こういう鍵を使って

扉を開けるのにはちょっとしたコツが必要で、

うまくいくかどうかは、毎回賭けのようなものだ。

今度は日本からクレ556を持って行こう…

世界中のオルガニストが、

一度は鍵が原因で困ったことにでくわしていると思うんだ、きっと。

 

鍵を開るとこんな狭くて急な階段がある。

滑りやすいので、ロープにしがみつく。

オルガンのかなめ、ふいごの部屋を通って

たどり着くのは、こんなオルガン。

Antonio Muñoz(1743-1746),

restaurado por los hermanos Desmottes (2008)

 

演奏台から望む祭壇。

とんでもない光景の中で弾いていたんだなあ。

 

聖堂の全景。オルガンは左手奥の上の方。

ある朝オルガニストのハビエル(右側)から

「コンサートの記者会見があるから、

すこしなにか喋ってね。」

と言われて、いっしょに市役所にでかけた。

案内された一室には5,6人の記者と

マイクが3つくらい用意されていて、

びびりまくったわたしは、

ロボットのような棒読みのスペイン語をもごもご。

その様子がローカルニュースで流れて、

街で会った見知らぬ人3人から

「見たよ!聴きに行くからがんばって。」

と激励を受けた。

コンサートの翌日、アビラの新聞の文化欄に

記事を載せていただいた。

本番5分前に撮影に来たので、

顔が固まっているのはさておき、

見出しには「鍵盤を前にする日本人」とある。

「竹を食べるシャンシャン」みたいだ。