いつから使われているんだろう。
サン・ビセンテ教会の
オルガン・バルコニーに通じる階段の、古い鍵。
こういう鍵を使って
扉を開けるのにはちょっとしたコツが必要で、
うまくいくかどうかは、毎回賭けのようなものだ。
今度は日本からクレ556を持って行こう…
世界中のオルガニストが、
一度は鍵が原因で困ったことにでくわしていると思うんだ、きっと。
鍵を開るとこんな狭くて急な階段がある。
滑りやすいので、ロープにしがみつく。
オルガンのかなめ、ふいごの部屋を通って
たどり着くのは、こんなオルガン。
Antonio Muñoz(1743-1746),
restaurado por los hermanos Desmottes (2008)
演奏台から望む祭壇。
とんでもない光景の中で弾いていたんだなあ。
聖堂の全景。オルガンは左手奥の上の方。
ある朝オルガニストのハビエル(右側)から
「コンサートの記者会見があるから、
すこしなにか喋ってね。」
と言われて、いっしょに市役所にでかけた。
案内された一室には5,6人の記者と
マイクが3つくらい用意されていて、
びびりまくったわたしは、
ロボットのような棒読みのスペイン語をもごもご。
その様子がローカルニュースで流れて、
街で会った見知らぬ人3人から
「見たよ!聴きに行くからがんばって。」
と激励を受けた。
コンサートの翌日、アビラの新聞の文化欄に
記事を載せていただいた。
本番5分前に撮影に来たので、
顔が固まっているのはさておき、
見出しには「鍵盤を前にする日本人」とある。
「竹を食べるシャンシャン」みたいだ。