2017.08Villar del Maestre, Cuenca, España

夏の旅の続き。

クエンカの市街から山道を通って1時間ほど、

こんな家が並ぶ古い村の教会の年に一度のコンサートで、

友達の川越聡子ちゃんが演奏するというので、

アシスタントをしに、いそいそとくっついていった。

ここヴィリャール・デル・マエストレは、

携帯電話が全く通じない。

聞けば冬の間は5人しか住民がいないと言う。

今日はこの村の守護聖人を讃える祭日。

ミサの前に1時間ほど、

聖人のお神輿を担いで人びとが村を練り歩く。

このフィエスタのために、みんな里帰りするそうだ。

行列は時々止まって、

音楽隊による演奏が始まる。

それに続いて民族衣装のようなものものを着た若者が、

木の棒を振り回し、カスタネットをたたきながら踊る。

ベーベー言うけたたましいリード楽器は、

Dulzainaドゥルサイナという、

このあたり特有のもの。

小学館 西和辞書には「チャルメラに似た中世の木管楽器」と書いてあった。

カスティーリャ・ラ・マンチャ地方では

まさにこんな音がする、

ドゥルサイナというショートリードを持つ

笛のあるオルガンをよくみかける。

ふたごちゃんを発見。

ちっちゃくてかわいらしいけれど、

仕草がなんだか大人びている。

行列のあとは、ミサが始まる。

聖堂の中でも

あのけたたましいドゥルサイナと小太鼓の演奏をしたり

踊ったりするのでびっくり。

さすがスペイン。

 

Iglesia parroquial 教区教会。

オルガンバルコニーに上がる階段の踊り場。

ミサのあとはみんなでごはん。

バケットや大きなメロンは、

食べる分だけ自分で切るシステム。

入れ替わり立ち替わり、みんなで世話を焼いてくれる。

夜はコンサート。

教会は満員。

お客さまはのりのり。

聡子ちゃんの熱い演奏に

一曲終わるごとに拍手喝采。

口笛も聞こえてくる。

 

Organero desconocido, 1760 (restaurado por Frédéric Desmottes en 2014)

製作者不明(1760年)のオルガン。

2014年に、フレデリック・デスモット氏が修復。