到着した日の夜に、Abarca de Camposという
小さな小さな村のParroquial de San sebastian教会にある
Tadeo ortega 1778年製作のオルガンで、
ミシェル・ブヴァール&康子夫妻の素敵なデュオ・コンサートが行われた。
わたしは今回ありがたいことに
サン・セバスチャンからご夫妻の車に乗せていただいて、
この場所に来ることができた。
30年もの時間をかけて、この小さな村々に点在する
歴史的な楽器が修復され、オルガン音楽が浸透していったのは、
フランスのオルガニスト、フランシス・シャプレ氏の尽力によるものだ。
村には「フランシス・シャプレ通り」まであることからも、
どれだけ人々に慕われているかが伺える。
コンサート後の宴。
この中にはオルガンを習っている人がたくさんいる。
私のスペイン音楽の師、アンドレス・セア・ガラン氏が以前、
「パレンシアではさっきまで農作業をしていた人が、
長靴を履いたまま、身体についた泥をはらって、
オルガンのレッスンにやってくるんだ。
彼らがすばらしく音楽的な演奏をするんだよ。
なんてファンタスティックなんだ!と思わない?」と
興奮気味に話してくれたのを思い出した。
この夜は持ち寄りパーティーで、手作りのごちそうが
ずらっと並んでいた。
ここでは何人もの作り手によるトルティーリャ(じゃがいも入りオムレツ)
の食べ比べなんていう贅沢なことが可能なのだ。
こんなに大量のスイカをはじめてみたよ。
宴もたけなわになると、みんなで大合唱大会。
このギター弾きの男性も、向かって左隣の女性
(ローリーという呼び名で、私たちの世話をしてくれた宿の優しいマダム)も、
オルガンを勉強している。
このあたりは昼間は真夏の気温でも、
夜になると12度くらいまで下がる。
その気温差がもたらしてくれるのか、
夕暮れ時、夜10時頃にみた景色は忘れられない。