四月織/柿沼 唯の映像作品

もう一曲は、四月織。

この曲は2007年4月26日に盛岡市民文化ホールで

早島 万紀子氏によって初演されました。

「さくら さくら」と、

復活祭の時に歌われるグレゴリオ聖歌、

Victimae paschali laudes  「過ぎ越しのいけにえを讃えよ」

が、さまざまな模様に織り込まれています。

 

いつのまにか次のセクションに移っているトリックは、

インドネシアの伝統音楽ガムランの要素を取り入れたもの。

花びらがはらはらと舞う様子、

月の下で妖しく光る桜、むせ返るような桜吹雪、

鳥の啼き声など曲の隅々まで

花鳥風月を感じずにはいられません。

 

ある時柿沼先生がふとおっしゃった

「桜の季節に、年に一度だけ亡くなった人が

この世に戻ってきてくれるような気がする。」

ということばが、

まさにこの作品の世界そのもののように思います。

 

 

四月織、華他柿沼唯氏のオルガン作品の楽譜はこちら から購入できます。

この映像を作ってくださった荒木さんがプロデュースしたCD

 Sonoko Ito “Reed Organ Hymns”

も是非多くの方に聴いていただきたい一枚です。