20211204オルガン花鳥風月@新宿文化センター

12月4日(土)17:00から、

新宿文化センターで開催される

オルガン花鳥風月〜柿沼唯の世界〜

に出演します。

 

チラシ裏面。

8人のゆかいな仲間たちとわいわい準備しています。

 

8月には2日間に渡って、

出演者、作曲家の柿沼唯先生、監修の早島万紀子先生とともに

作品の理解を深めるための勉強会が行われました。

共演するオルガニストたちの演奏で、

たくさんの作品を一度に聴くことができたり、

みんなでレジストレーションをああでもない、

こうでもない、と考えたり……

ありがたい、貴重な時間でした。

Photo by Shin Araki

 

万紀子先生とのツーショット。

音色の組み合わせををあれこれ試しているところ。

Photo by Shin Araki

 

学生の頃から能に魅せられて、お稽古を続けていらっしゃるという

柿沼氏の多くの作品は、能の影響を色濃く映しています。

 

10月の終わりには岐阜のサラマンカホールで行われた新作、

能とパイプオルガンと合唱のためのオペラ

「天鼓」の初演に伺いました。

こどもたちの歌声とともに

オルガンの音と能の舞を同時に体感するという、

かつてない鮮烈な経験のすぐあとに、

サントリーホールでの川越聡子さんのリハーサルで、

客席に座って柿沼氏の「かきつばた」の

音色のバランスを聴いていたときのこと。

岐阜から戻ってもまだ抜け出せないでいた、

この世とあの世の境目がない能の世界と、

「かきつばた」の中で、

精霊と聖霊が入り乱れて飛び交うような

音型がリンクして、天鼓の霊が舞う姿が見え、

妙なる音色の鼓の音が聴こえてきて、驚きました。

嬉しくなって、いそいそと新宿で弾く曲を練習してみると、

やはり場面場面で、能の舞が目の奥に映ります。

 

かといって、作品の中の曖昧模糊とした部分をどう弾き、

表現したらいいのか、ずばりこれだ!というところには

相変わらずなかなかたどり着けないのですが……

 

こういう時間は苦しくも、かつ愛おしくもあり、

新宿の詩的なオルガンが導いてくれることを期待して、

本番まで準備を続けます。

Photo by Shin Araki