2020年のお正月

お正月に山梨の祖母の家の裏から見た晴れやかな富士山は、

空に浮いているようだった。

 

年末からいそいそと料理して持っていったのは、

筑前煮、頂いた乾燥豆を戻して作った、セロリと豆のサラダ、

(このひよこ豆を一回り小さくしたようなお豆は、

だれに聞いても名前がわからない…)

大根と卵の煮物、おからとツナのペースト、

ミニトマトのナムル、じゃがいもとひき肉のグラタン、

無限キャベツ。

 

まだ祖母の気配が残るこたつでごはんを食べていると、

「てっ、うまそうなもん食べてるじゃん。どう、ちっとくりょし。」

と手が伸びてきそうな感じがした。

この「てっ」という甲州弁は、言い方によっていろんな表現ができる。

「てっ、大きくなって」(驚き+うれしさ)

「てっ、そんなに食べちょし」(こらっ)

「てっ、えらいもんだ。」(賞賛)という具合に。

 

あまりにも天気が良い庭から臨む山々を撮ったら、

虹が写っていた。

 

猫たちも元気。

お母さんがかわいがっていたにゃーちゃん。

若くしておばあちゃんになった祖母のことを、

わたしはずっとホサカのお母さんと呼んで(呼ばされて)いたのだ。

 

お顔と、お腹にある白い三日月はまた今度見せてあげる。

 

美人で気が強い、みうみう。

てっ、お母さんはえらい景色を

残してくれたもんじゃん。