お正月に山梨の祖母の家の裏から見た晴れやかな富士山は、
空に浮いているようだった。
年末からいそいそと料理して持っていったのは、
筑前煮、頂いた乾燥豆を戻して作った、セロリと豆のサラダ、
(このひよこ豆を一回り小さくしたようなお豆は、
だれに聞いても名前がわからない…)
大根と卵の煮物、おからとツナのペースト、
ミニトマトのナムル、じゃがいもとひき肉のグラタン、
無限キャベツ。
まだ祖母の気配が残るこたつでごはんを食べていると、
「てっ、うまそうなもん食べてるじゃん。どう、ちっとくりょし。」
と手が伸びてきそうな感じがした。
この「てっ」という甲州弁は、言い方によっていろんな表現ができる。
「てっ、大きくなって」(驚き+うれしさ)
「てっ、そんなに食べちょし」(こらっ)
「てっ、えらいもんだ。」(賞賛)という具合に。
あまりにも天気が良い庭から臨む山々を撮ったら、
虹が写っていた。
猫たちも元気。
お母さんがかわいがっていたにゃーちゃん。
若くしておばあちゃんになった祖母のことを、
わたしはずっとホサカのお母さんと呼んで(呼ばされて)いたのだ。
お顔と、お腹にある白い三日月はまた今度見せてあげる。
美人で気が強い、みうみう。
てっ、お母さんはえらい景色を
残してくれたもんじゃん。