2017.08. Lerma, Burgos, Españaその2

Colegiata De San Pedro.

坂の上のサン・ペドロ教会から街を見下ろす。

絵の具で描かれたような色合いの景色。

教会を下から見上げてみる。

 

Órgano de la epístola, Diego de Quijano(1616)

(Joaquín Lois, reconstrucción 1995)

サン・ペドロ教会に2台あるうち、

小さい方(使徒書簡側)の楽器。

 

この楽器を製作したDiego de Quijanoは、

カベソンがオルガニストをしていた

マドリッドの王室礼拝堂や、

エル・エスコリアル修道院のためのオルガンを作った

フランドル出身のオルガン製作家ファミリー、

ブレボス一族のひとり、

Juan Brebosの義理の息子に当たる。

当時カスティーリャ地方には、

ブレボス一族の活躍のおかげで、

フランドル地方の影響が強いオルガンが

たくさんあったが、

今はほとんど残っていない。

 

18世紀になると水平トランペット管を加えられたりして、

現存しているのは、

当時流行したスタイルに改修されたものがほとんど。

このオルガンは、Quijanoが作ったルネサンス様式のまま残された、

スペインの歴史的な楽器の中でも貴重な一台。

タッチも音色も、これまで弾いてきたオルガンとは全く違う。

夢中で4時間も弾かせてもらったけれど、まだ全然足りなくて、

後ろ髪をひかれながら教会を後にした。

大きなカルチャーショックを受けた日だった。

Órgano del Evangelio, Diego de Quijano(1617)

(Pedro de Albisua (1792 ¿?))

(Joaquín Lois 2009, restauración)

サン・ペドロ教会の大きい方(福音書側)のオルガン。

パイプはオリジナルのものだが、

18世紀の終わりに大きな修復が行われ、

水平トランペット管などが加えられている。

小さい方とは別物の、バロック様式の楽器。

ソフトクリームみたいな天井と、トランペット管。

オルガンのバルコニーから見た祭壇。