本郷の真砂坂上(まさごさかうえ)の信号をちょっと入ったところに、
突如ばーんとあらわれる大きなくすのき。
そのはすむかいにある弓町本郷教会の「ひるの憩い」で、
今回は柿沼唯氏の、四月織に取り組んでいる。
この作品は「さくら さくら」と、復活祭の時に歌うグレゴリオ聖歌、
Victimae paschali laudes 「過ぎ越しのいけにえ」
が、さまざまな模様に織り込まれている。
儚い消えゆくものと、絶対的にそこに在るもの。
たゆたうものと、確かなものが交互に、
ときには同時にあらわれて、
弾いていると、あの世とこの世を行ったり来たりするような感覚におちいる。
さて、いまはどっちの世界だったっけ…
という感じなのだ。
そういえば、
「桜の季節には、亡くなった人が一度だけこの世に戻ってきてくれるような気がする」
と柿沼先生がおっしゃっていた。
この曲は山の色合いが変わってきて、桜が待たれるちょうど今の季節に書かれたそうだ。
ここ一カ月くらいこのことばかり考えて、
曲の魅力、魔力と難しさに取り憑かれ、
鳥肌をたてている。
オルガニストのみなさま、この曲はこちらから出版されています。
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プログラム
S.シャイト:第9旋法のマニフィカト
N.de グリニ:ティエルス・アン・ターユのレシ
F.コレア・デ・アラウホ:第5旋法のティエント第20番
F.コレア・デ・アラウホ:ソプラノのソロのための第7旋法のティエント第29番
柿沼 唯: 四月織
P.ブルーナ : 第1旋法のための右手のソロ及び2声のためのティエント
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どなたでも自由にお入りいただけます。
良かったらふらりといらしてください。
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